20世紀初頭、「雲上の楽園」と呼ばれた場所には、もう誰もいない。
朽ち果てた建物の窓越しに見る景色は、栄華の記憶と、流れていった時間とを静かに語りかけてくる。
窓は外と内、過去と今、生と死の境界。
そこに立ち、向こう側を覗き込むとき、いまここに在ることの意味が、ほんの少しだけ見えてくる。